アスベスト調査、検査分析

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平成17年2月に「石綿障害予防規則」が公布され、アスベストの調査・分析がますます重要となってきました。

1.アスベスト(石綿)の概要
 アスベストは、石綿とも呼ばれ自然界に存在する天然の鉱物です。代表的なものとしてクリソタイル、クロシドライト、アモサイトが知られています。耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性等に優れているため、古くから世界中で建築材等多方面に使用されてきました。
 一方、近年アスベスト使用量の増加に伴い、アスベストを取り扱う労働者及び近隣住民における健康障害が知られるようになり、そのための法規制による対策の充実も図られるようになりました。
<写真:位相差顕微鏡によるアスベストの測定(分散染色法)>
2.アスベストの関連法規
アスベスト調査の流れ〇大気汚染防止法(S43.6.10法律第97号)
 石綿に係る特定粉じん発生施設を設置する工場等において、敷地境界における大気中の石綿濃度が10本/リットルと規定されています。(施行規則第16条の2)

〇労働安全衛生法(S47.6.8法律第57号)
 石綿を製造又は石綿を取り扱う屋内作業場において、石綿の作業環境管理濃度は、0.15本/cm3と規定されています。(労働省令第39号)

〇石綿障害予防規則(H17.2.24厚生労働省令第21号)
 建築物の解体等の作業にあたっては石綿障害予防規則(石綿則)によって、あらかじめそれらの建築物や工作物について、石綿使用有無の調査が義務付けられています。(同規則第3条第1項、第2項)
<解体に伴うアスベスト調査の流れ・右図参照>
3.アスベストの分析
★大気試料(粉じん) 位相差顕微鏡による定性・定量
★建材・吹付け材 位相差顕微鏡及びX線回折法による定性・定量
4.測定事例
- X線回析装置によるアスベストの測定 -
上段:カルサイト(炭酸カルシウム)にアスベスト標準試料を添加
中段:未知試料
下段:アスベスト標準試料
X線回折装置
- 位相差顕微鏡によるアスベストの測定 -